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リビングとオーディオの関係:第5回「デザイナー・イラストレーター田阪さんの場合」(前編)
特集 2020年4月6日

リビングとオーディオの関係:第5回「デザイナー・イラストレーター田阪さんの場合」(前編)

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田阪リカさんプロフィール
嵯峨美術短期大学生活デザインコース卒。元パナソニック電工Interior Plannerなどを経てフリーランスのイラストレーター、雑貨デザイナーに。 関西電力グループ”まるごとくーぽん”コラム、情報誌chiffonにてエッセイ”旅の途中で…”、神戸新聞まちえがお”田阪リカのsmile&loveletter”などに連載。

WEB:https://www.ricalab.net
FaceBook:https://www.facebook.com/Rkoubo/
Instagram:https://www.instagram.com/rkoubo/


【今回のサマリー】

・生活をデザインするということは、ライフスタイルを考えることから
・デザインは作ること以上に、考えて想像してることが楽しい
・モノは、その背景にあるバックストーリーもあわせて味わう


【暮らし、生活のデザインについて学んだこと】

ー最初にキャリアについてお話をきかせてください。嵯峨美術短期大学生活デザインコース(現:嵯峨美術短期大学暮らしのグッズデザイン領域)はどういうことを学ばれたんでしょうか?
このコースを選んだのは、生活するためのデザインを考えるのが好きだったことと、雑貨とかを作る人になりたかったからです。ここは生活に関わるデザインをなんでもやるところで、陶芸、木工、テキスタイルのようなものづくりだけでなく、環境デザイン的な、例えばこのロケーション、ランドスケープに合うバス停をデザインをする、というのもありました。

ーおもしろいですねー、楽しそう。
年間で3つほどのプロジェクトを選択するんですけど、最初は、自分が欲しい物が作りたいと思って、木工をやってみたんです。でも、やってみると家具とか大きな物作ることより、その手前のデザインを考えるほうが好きだと気づきました。

ーなるほど、家具を作る作業よりその手前の考える、デザインするプロセスが好きだったんですね。
それで次は、旅の目的や内容から、持っていくバッグのデザインを考えるプロジェクトに参加しました。『2泊3日の旅をするための最小で最軽量のバックをデザインする』というコンセプトでデザインするんですが、担当する先生が、ちょっと変わった人で、機能的なことで考えず、まず『人が旅をするときに本当に必要なミニマルなモノはなにか?』を考えさせて持ち物を取捨選択する。とにかく持ち物を省いて、省いて、省いて、って感じで(笑)

ー今で言う断捨離ライフスタイルですね!
あくまでデザインのドキュメントだけでモノはつくらないんですけどね。 そうして突き詰めた結果、軽くて丈夫な素材をつかって、幅30cmぐらい、高さ20cmぐらいのA4程度の大きさで厚みが10cm程度、バッグの前面にチャックがあって、小物を入れられる、みたいなデザインになりました(写真下:デザインされたバッグの大きさはこんな・・)

ーその大きさだと、2泊3日を過ごすとなると上着とかアウターの着替えはなしって設定なんでしょうか?
そうですね、それこそ下着をふくめた着替えが一回分ぐらいな(笑)このバッグのデザインのプロセスがあったからか、後に職場の旅行で2泊3日でグアムに行ったときに、同じぐらいの大きさのエルベのバッグひとつで行けました。夏だったのもあるけれど、下着類の着替えとTシャツ2枚ぐらい(笑)。

ーそれはミニマル!。でも女性は、お化粧道具とか男性よりも荷物が多くなりがちですよね?
そうですね、その時に一緒に行った先輩とかは、小型のキャスター付きバッグを引いてましたね(笑)着替えもいっぱい入ってたし、帰りにお土産もたくさん入れてました。私は、なにか足らないものがあったら現地で買えばいい、と割り切ってたのと、お土産については小さく畳めるナイロンバッグを持っていって帰りはそれを使いました(写真下:田阪さんが店舗の依頼で最近デザインされたトートバッグ)

ーなるほど。その割り切りがミニマルの秘訣なんですね。いま職場のお話がでましたけど、学校を卒業されてインテリアのお仕事につかれたんですよね?
いえ最初は、パッケージデザインの会社にはいったんです。とにかく当時は就職氷河期で、探して探してようやく決まった感じでした。そこに入って2ヶ月ぐらい努めてたら大学の先生から、一番進みたかったけど就職が叶わなかった会社が、改めて求人してるよ!と連絡があり、急遽試験を受けて無事採用され転職しました。

ーそれがパナソニック電工(現:パナソニック ライフソリューションズ社)だったんですね。
はい。その年は、阪神淡路の震災のあった年だったので、震災復興のサポートに関わる部署への採用ということだったんですが、入ったらそこではないシステムキッチンのアフターサービスに配属されて、主に外回りをしました。

ーいきなり前職とはことなってデザインではなく、ユーザーサポートになってクレーム処理とか戸惑いはありませんでした?
それが、そうでもないんですよ(笑)やっぱりシステムキッチンという製品で高額なものが多いからか、お客様は神戸の芦屋界隈の大きなお宅が多くて、総じて上品な奥様でしたので意外に苦労せず、お客さんとのコミュニケーションができました。その後、家のインテリアをデザインする部署に移動になりました。

ーお、念願かなったんですね!ユーザーサポートの経験も生きてきますね。
そうですね。前職でお客様から伺った話もふまえて、いろいろとデザインを考えました。そのころはまだ手作業で、カタログから製品写真を必要な要素として切り出し図面と一緒に貼って、お客様に提案するイメージボードを作っていました。その後、徐々にPC化されてCADでのデザインになりましたけど、自分的にはPCの作業より、手書きでデザインするほうが楽しかったです。そんな時にちょっとしたご縁があって、レストランのメニューとかの食べ物のイラストを手書きで描く仕事の機会があって、これが楽しくて色々やりました。さらに趣味的に雑貨のデザインとかも始めたので、会社勤務と両立してたら睡眠時間が4時間ぐらいになってしまって、無理がたたって体調を崩して倒れちゃっいました;;

ーそれは大変でしたね。いまなら副業OKな感じで、もうすこし楽に両立できたかもしれないですけど。。
でも、これを機会に退職する決心がついて、体調をもどすために療養しながら無理のない範囲で手書きイラストの仕事を続けながら、雑貨デザインも少しづつはじめました(写真下:『神戸新聞まち*えがお』に連載された田阪さんのイラストエッセイ

ー食べ物のイラストや作品は、昨年秋の軽井沢タリアセンの個展で拝見しましたけど、立体的なオブジェとか、とても美味しそうでした!
小さいときから食への執着があるみたいで、食べることだけにとどまらず、食にまつわること、たべものの裏にあるストーリーとかそれを使ってる食器、キッチングッズとかコーディネイトとかに興味がありました。食べて美味しい、見て美味しい、さらにそこにバックストーリーがある。老舗のお菓子が美味しいというのには、老舗のいわれや、そのお菓子の歴史を知ってたべると、より楽しい。そして美味しいと感じる人には、この商品のどこが愛されているのだろう?ってことも、考えながら周りの人と話すのも楽しかったです(笑)(写真下:オムライスのオブジェ)

ーわかります。食べ物に限らず、モノが作られたバックストーリーが興味深いんですよね。メーカーとして、この部分はユーザーに共有していきたいことだと思ってます。この特集記事なんかも、実はその一つだったりします(笑)
そうなんですねー。オーディオのことほとんど話してないままですけど、大丈夫ですか?

ー大丈夫です! >>後編に続く

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