リビングとオーディオの関係:第6回「デザイナー・イラストレーター田阪さんの場合」(後編)

田阪リカさんプロフィール 嵯峨美術短期大学生活デザインコース卒。元パナソニック電工Interior Plannerなどを経てフリーランスのイラストレーター、雑貨デザイナーに。 関西電力グループ”まるごとくーぽん”コラム、情報誌chiffonにてエッセイ”旅の途中で…”、神戸新聞まちえがお”田阪リカのsmile&loveletter”連載。

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ー食に関わることが大好きな田阪さんにとって食器棚とかのデザインは、どう考えられてます?最近は、自宅でもカフェみたいな開架式の見せるキッチンが多いですけど。 キッチンの食器を見せる見せないっていうことには、私も色々と変遷があって、最初は20年ぐらい前、当時人気だったパトリス・ジュリアンさんというフランス人のライフスタイルコーディネータが出された「生活はアート」っていう大ヒットした本があったのですが、それにハマりました。パトリスさんが経営されてたレストランが国内にもあって、そこは食器もキッチンウエアもすべて飾られていて、素敵で、自分もそれに習って自宅のキッチンとかを見せるインテリアにしてました。その後、結婚したら、やっぱり食器の数もふえますし、外に出して見せてるとホコリがつくので、使う前にまず洗わないといけない。日常的な家事となると面倒なんですよね(笑)あと、住んでる場所や建物によっても変わると思います。以前、住んでいたマンションでは、収納メインの見せないインテリアベースでした(写真下:以前お住まいのマンションのキッチン) ー建物的にもマンションのコンクリートの機能的、合理的なものだとそうなりやすいですよね。 そうなんです。マンションとかやっぱり閉じられた空間の箱なので、有機的なデザインのインテリアとか似合わなくて、機能的な箱物が似合うんですよね、箱の収まりがいい。片付けるのが合理的なんです ーその後、北軽井沢に越されてきて自然の多い環境になったわけですけお、なにがかわりましたか? やはり、この自然の多い場所に移ってきて気持ちはかわりました。キッチンの食器とかも、以前みたいに「最低限、良いものだけは見せたい」という気持ちに変わりました。 ーマンションとは対局の木造で木の暖かさもあるし、外からの自然の風景も含めて、環境とインテリアが一つになる感じですね。 そうですね、だから、この家はなるべくカーテンを付けないようにしてます。そして、どこに何を置くかひとつひとつ考えて置いてます。食器棚にならんでる瓶の順番とかも、使いやすさとインテリアとしての見え方のバランスを、生活感ものこしつつ緩めにとってます。なにより、それを考えてる時間が楽しいですね。(写真下:現在お住まいのお宅のキッチン。奥には瓶がきれいに並んでいます) ー今の生活環境では、オーディオとかはどう使われてますか? 今は、スマートスピーカーのAmazonEchoを導入して、音楽はほとんどそれから流してます(写真下:現在のキッチンに置かれているAmazonEchoDOT) ーEchoから音を出してるんですか? いえ、BOSEのデスクトップ用のスピーカーをつないでます。でも、なんか黒いコードがごちゃごちゃしていて邪魔なんですよね。本当はコードが無いほうがいいんですけどね。 ーやっぱり邪魔ですか。以前、市場調査したときに、オーディオ製品の一番キライなところはって質問で、女性の一番はケーブルでした(笑) 理由は、繋ぎ方が解らないこと、ケーブルにホコリがつきやすいくと。インテリアを考えたとき、やはりケーブルが見えない、もしくはケーブルが無い製品が求められてるとおもいました。 やはり、みなさん、そうなんですねー(笑) ーAmazonEchoで音楽を聞かれてるということすけど、どんな音楽が好きですか? 実は、私は子供の頃からちょっとかわった志向があって、JAZZとか、その場の雰囲気をつくるような音楽が好きなんです。もちろん、子供の頃は、いわいるアイドル系も好きでしたし、ピンクレディのライブとかにも行ったりしてましたけど、それとは別にそういう雰囲気をつくる音楽が好きでした。でも家族は、そういう音楽を聞いなかったから、実家にはそういう系統の音楽は、全くありませんでした。なのでFMで、夜遅めの11時過ぎぐらいから、そういう選曲で流し始める番組を聞いて、あーいいな、と。 ーFMは夜になると、結構そういうムーディな感じの選曲が増えますよね。僕もクルマのなかとかで、よく聞いてます。 その後、小学生の頃に放送部に、そういったカセットテープがあったので、先生に借りてダビングしていました。雰囲気のいいクラシックのショパンとかモーツアルトとか、ポップスでオーケストラ系のものとかもあって、そういう感じが好みでした(写真下:田阪さんのJazzyなイラスト) ーやっぱり雰囲気系の音楽は、生活環境には必要ですよね? インテリアの一部として、雰囲気をつくるBGMみたいな音は大切にしてます。リラックスできるし。 単に流れていればいいというだけでなくて、いい音は、いい音として欲しいという気持ちはあります。ただ、そのために、大きなスピーカーが部屋で存在感を主張したり、ケーブルやコードが目立ってしまうのは避けたい。だから、なるべくコンパクトでミニマルなデザインで’、必要以上に存在を主張しないものが欲しいですね。 ーさきほどの『キッチンの食器も最低限、良いものだけは見せたい』と同じ意識ですね。これは、この特集でインタビューさせていただいたかたの全員同じ意見ですね(笑)そして、みなさん、ケーブルと同様に液晶テレビもなるべく目立たないようにしたいって意見が多かったけれど、田阪さんはどうですか? 実は、このリビングでも最初、テレビは置かないようにしようと主人と話してたんです。でも、やっぱりくつろいでいる時には欲しくなって壁に付けました。でもインテリアとして見えるところでは、黒いものはなるべく小さくしたいって気持ちは、今もあります。カントリー調のインテリアのお家だったりすると、テレビのうえに部屋に似合った布をかけてらっしゃるところもありますしね。 ーわかります。液晶の黒いパネルはログハウスやカントリーなインテリアだと違和感ありますよね。 たとえば、こちらのAA1は、そういう意味で、シンプルでミニマムなデザインだとおもうので、それこそ家建てるときに、これを組み込む棚とかも設えて、部屋の中で違和感のない佇まいにできたらいいな、と思いました。真空管はあえてみせないでグリルの向こう側で光ってるのもいいですし。こちらのレトロな、真空管アンプ!の王道的なデザインは、今の自分のライフスタイルには、ちょっと取り入れるのは難しい印象があります(写真下:キッチンでSWL-A1SET2とSWL-T10の試作機を試聴していただいている様子) ーさっきお話されていたカントリー調のお家だったら、合いそうですか? そうですね、住む人のライフスタイル次第じゃないかと思います。レトロティックなモノを好まれてれば、似合いそうですね。 ーなるほど、ライフスタイルから作るバッグの話と同じですね。ライフスタイルが、使うモノのデザインを決める。いろいろと面白いお話で楽しかったです。本日はお忙しい中ありがとうございました! <<前編はこちら]]>

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