SW-HP&SW-HSコンセプトノート:第4回「SW-HPの新しい挑戦、セミオープン型ヘッドホンの誕生」


【今回のサマリー】

・電子ピアノ用ヘッドホンのOEM受託、楽器演奏に最適化したヘッドホンを開発

・SW-HPシリーズ初のセミオープン型のSW-HP100、HP300を開発


【電子ピアノ用ヘッドホンの開発】

先に挙げた『SW-HP11』をはじめ、当社はありがたいことに、これまで様々な企業様からのOEM製造のご用命をいただいてきました。
そんな中で新たに島村楽器様よりご依頼いただいたのが電子ピアノ用ヘッドホンの開発でした。
様々な楽器を取り扱う島村楽器様では、ギター練習用、ベース・ドラム練習用など、特定の楽器に特化したヘッドホンを企画・販売されています。
その中の新たなラインナップとして、電子ピアノ用ヘッドホンの開発を検討されていました。
当社ヘッドホン開発担当者自身もプライベートでは楽器演奏を趣味としていることもあり、当社にとっても大変興味深くやりがいのあるご依頼でした。
楽器販売のプロである島村楽器様からのご要望は『ピアノの繊細なタッチや音の強弱、アタックなどをしっかりと再現できること。長時間使用しても疲れにくいこと。長く使用できるよう耐久性に優れていること』でした。
これらのご要望を満たすために開発するヘッドホンは、密閉型よりも空気感や臨場感を得ることができ、圧迫感が少なく疲れにくいセミオープン型を採用することになりました。
電子ピアノは、自宅での練習用として使用されている方も多く、本番でアコースティックピアノを演奏する時と練習との聴こえ方に、ギャップがないことが理想です。
その為、練習時に使用するヘッドホンでは、可能な限りピアノ本来の音を再現することが求められていました。
そこで、当社エンジニアが会社に電子ピアノを持ち込みサウンドチューニングを行って、試作機を評価していただく形で開発を進めました。
島村楽器様はピアノ教室も運営されており、講師の方にも試作機に対する評価やアドバイスをいただけたことは、当社にとって非常に大きな知見となりました。
一方、これまで業務用ヘッドセットやプロユースヘッドホン開発で当社が培ったノウハウは、疲れにくく、耐久性に優れたヘッドホンの開発であり、これは、そのまま生かすことができました。
実際に、完成した製品に使用している筐体素材等は、当社オリジナルヘッドホンと共通のナイロン樹脂となっています。
また、イヤーパッドも従来の左右非対称デザインはそのままで、生地にベロアを採用することで、音質面や装着感においてご要求に近付くことができました。 こうして2019年2月に島村楽器様オリジナル商品として電子ピアノ用ヘッドホン『EMUL SSW-HP200』が発売されました。

【セミオープン型ヘッドホンを新たに展開】

島村楽器様の『SSW-HP200』では、電子ピアノでの練習に特化したヘッドホンとして、セミオープン型ヘッドホンを開発しましたが、これまで当社が開発してきたヘッドホンは、ほとんどが密閉型で、この開発でセミオープン型には密閉型では得られなかった独特の「響き」があることに気付かされました。
これをうまく表現することで従来のSW-HPシリーズには無い、新たな音作りができるのではないか、このような思いからSOUND WARRIORとしてのセミオープン型ヘッドホン開発がスタートしました。
まず、従来の密閉型に使用していたドライバーユニットではなく、セミオープン型に合うドライバーユニットを選定することから始めることにしました。
当社の密閉型ヘッドホンでは基本的な設計は共通としながら、音の方向性が異なるモニター用途『SW-HP10』と音楽鑑賞用『SW-HP20』と2種類を用意しています。
実際に両機種をお試しいただいたお客様にどちらが好みかアンケートをとると、どちらの機種に偏ることもなく、音の好みによってほぼ半々に分かれるという結果を得ていました。
そこで、セミオープン型ヘッドホンでも想定する用途や音質の異なるいくつかのモデルを開発することにし、誕生したのが現在販売している『SW-HP100』『SW-HP300』です。
それぞれの特徴をまとめると以下の通りです。

【SW-HP100】

コンセプトは『寝転がって気軽に音楽を楽しめるヘッドホン』
このコンセプトにしたがってイヤーパッドには、装着した時に軽さを感じられる生地を新採用。
・ボーカル域の明瞭度・透明感の高さを重視した音作りとし必要十分な低音域を確保しながら、中高音域のクリアさ、明瞭度の高さを表現する為にドライバーユニットを選定。
・音楽鑑賞用としてだけでなく、長時間にわたるミックスなどの編集作業用、楽器練習用としてもオススメできる製品です。

【SW-HP300】

コンセプトは『時間を忘れて音楽に没頭できるヘッドホン』
これを実現する為には音質面はもちろん、長時間快適に装着できることも不可欠だと考え、イヤーパッドの生地には耳への密着度を高めるウェットな生地を採用。
これにより長時間使用しても耳が痛くなりにくくなりました。
・先行して開発したSW-HP100の上位機種と位置付けて開発。
SW-HP100よりも豊かな低音域、空気感のある高音域、安定した定位感を実現。
・ボーカルだけでなく楽器を含めて重厚感のある音作りとしました。

このようにデザインや筐体素材は共通としながらも、異なるコンセプトを掲げそれに沿った音作りを施した2機種をセミオープン型ヘッドホンとして展開しています。
当社直販ショップで展開しているレンタルサービスでは『SW-HP100&HP300』をご自宅で比較試聴ができる『SW-HP100&HP300,聴き比べセット』もご用意しておりますので、ご興味がある方は是非ご利用いただければと思います。


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