【SWユーザー訪問】第5回は、SOUND WARRIOR製品を旅館の客室でお使いいただいている【上田温泉祥園 寿久庵】の女将をやってらっしゃる久保美奈子さんに、お話を伺いました。
>まず自己紹介をお願いします。
上田温泉祥園 寿久庵の女将をやっております久保美奈子です。私で3代目女将になります。私の祖母が創業したのが昭和33年。この寿久庵の向かい側の今は、使っていない建物の場所で始めました。この寿久庵は、別の方が経営される料亭旅館でしたが廃業されるとのことになり、明治38年から続くこの由緒ある所を残したいと思い、私どもが譲り受けました。
>すごく趣のある建物ですね。
そうなんです。明治33年に江戸時代は、武家屋敷だったこの場所で創業されたのち、この建物自体は大正15年(昭和元年)に建てられたものですが、その後、修繕や増築をへて今に至っています。
>その歴史の重さみたいなものは、ひしひしと伝わりますね。久保さんの女将さんの仕事は、具体的にどんなことをされてるんでしょうか?
女将の仕事は、主に接客やお客様のご案内、ホテルのコンシェルジュのようなお客様からのリクエストに対して臨機応変に対応する仕事がですが、寿久庵では、それだけにとどまらず、この宿のテーマである『よりよい眠りを提供する宿・快眠の郷』として、良い睡眠を得るためのお食事の献立や調理も私が行っています。
>すごいですね~。調理人も兼務というのは大変ではないですか?
以前のホテルは客室も多かったので、和食の板前さん3人で、お料理を提供していたのですが、睡眠に特化したお料理ってことになると、献立もふくめ今までの板前さんにお願いするのは難しいことと、栄養睡眠学など自分で学んで、お客様に自ら調理して提供したいという気持ちがありやっております。
>そうですか。調理についてはどこかで学ばれたんでしょうか?
はい。学生の時に、家業である旅館ホテル業を継ぐことを考えて、そのスキルを学ぶ学校に進学しました。そのときに管理栄養士の資格もとりましたが、コロナ禍で宿泊客も減り、休業することも多くなったので、これをリスキリングするチャンスと捉えて、栄養睡眠学のことをいろいろと学ぶために栄養睡眠学会に参加したり、栄養睡眠コンサルタントの資格を取得したりしました。
>なるほど。その下地があって新たに栄養睡眠学を料理に導入できたわけですね。
さすがに、最初っから全部一人でというのは難しかったので、『快眠の郷プロジェクト』というチームをつくって、調理経験のある友人や著名な料理研究家の方の協力やアドバイスなども頂いてサービス全体をまとめました。今は、だいぶ慣れてきて、基本一人でお料理までできるようになりました。
>そもそも、なぜ睡眠に特化した宿というコンセプトを、お考えになったんですか?なにかきっかけとなる閃きがあったんでしょうか?
コロナの影響で観光旅行が減り、ビジネスの出張もほぼなくなってしまったとき、これからのことを考えて事業再構築補助金を申請するにあたって祥園ならではの、自分たちだけの特色をだせないか、って考えたのが始まりです。すでに、お気づきだと思いますが、この場所は上田駅近くの中心市街地なのに静かなんです。それで、あ、これだ!と。
>確かに!バス通りや駅から100mぐらいしか離れていないのに、クルマの音も電車の音もほとんど聞こえないですね。
そうなんです。この界隈でも真田とか別所とか山の中は同じように静かですけど、上田駅から徒歩5分の中心市街地にありながら、これだけ静かならば、ここでもぐっすり眠れる宿を提供できるんじゃないかって考えました。
>お料理以外で、どんな工夫を考えられたのですか?
やはり、まずは寝具ですね。著名なアスリートもつかっているエアウィーブに寝具を変えました。そして、部屋のかおりも、大事にしてアロマなどで工夫をして穏やかな空気感になるように整えました。
>たしかに、このインタビューしている部屋も、ほんのりとアロマの香りがして、その濃さというか漂い方が自然で違和感がないですね。
ありがとうございます。アロマ意外にリラックスできるハーブティのブレンドも用意しています。このハーブティは、この建物の屋上に設えたハーブ園で栽培してます。そしてやっぱり、お部屋に流れるBGMも大事だとおもって、SWL-T20 SET1をこの部屋に置かせていただきました。
>ありがとうございます。今こうしてインタビューしている間も、優しく柔らかい音楽がゆっくりと流れていて話しやすいですよね。
そうなんです。以前のホテルでもレストランでSOUND WARRIORの最初の頃の真空管アンプを、使わせていただいてたんです。竹のパネルがついたモデルです。その時の音の柔らかさ、会話の邪魔にならない優しい音が気に入ってたんですが、あいにく壊れてしまったので、今回あたらしく購入させていただきました。
>そうだったんですか!?存じ上げずすいませんでした。竹のパネルといえばSW-T20ですね。物理的に壊れてなければ修理が可能なので、ぜひ拝見させてください。
それは助かります。実は今ここになくて、別のところで保管しているので、今度あらためてご連絡します。修理できるならば、あれは別のお部屋で使わせていただけるので。
>了解しました。引き取りに参りますので、よろしくお願いいたします。いまこの部屋で流れている音楽はCDですか?
そうです。お客様用に、心地よい眠りに向かいやすいものをセレクトして用意してます。心地よく眠るためには、眠りに誘われる流れも大事な要素だと思ってます。この音楽とアンプは、宿泊されたお客様からも好評なんですよ。そして、さらに心地よい眠りを迎えるための『快眠ヨガ』というのも自分たちで作りお客様に提供しています。
>おー、良い眠りのために寝る前にストレッチするのが良いという話もありますから、ヨガも良さそうですね。
快眠ヨガは、実は忍者の要素を取り入れた忍者ヨガでもあるんですよ(笑) ここ上田市は、忍者がいたことでも知られています。実は忍者はどこでもすぐに眠れるよう、日頃から訓練をしていたとされています。これって快眠あってのことだと考えたんです。だから眠りにつきやすいヨガと、眠りから気持ちよく覚醒する寝起きのヨガとしてそんな忍者の訓練の要素を取り入れました。
>真田の忍者といえば、真田十勇士に出てくる猿飛佐助とか霧隠才蔵とかですね!他にも、なにか工夫されていることはありますか?
あとはアイマスクですね。特別な機能をもったものではなく普通に目の周りを多い光を遮断するものですが、ラベンダーやカモミールの香りをつけてあるのでその香りに包まれて、外部の光も遮断され、目の周りがほんのり自分の体温であたたまることで、スムーズに眠りにつくことができます。お客様からも、アイマスクでこんなにかわるとは!と好評です。
>あーわかります。PCやスマホで長時間仕事したりしてブルーアイで疲れてる目をやすめることもあわせて効果的ですよね。アロマは今度ためしてみます。
あとは、ハーブティもご用意しています。夕方以降はノンカフェインのハーブティーを飲むのがおすすめです。当館のハーブティーコーナーではお好みでハーブをブレンドしてお楽しみいただけますし、屋上のハーブ園『空庭』で取れたフレシュハーブもお使いいただけます。
>屋上の『空庭』素敵ですよね。ペントルーフならではの開放感と、ハーブ園の優しい香りが心地よかったです。いろいろとお話を伺ってまいりましたが、なに付け加えたいことがあれば、お聞かせください。
コンセプトとして快眠に特化した宿という個性はもちろんですが、大正、昭和初期に建てられたお部屋も、当館の大事な魅力の一つだと思っております。部屋のしつらえ、雪見障子越しに眺めるお庭の風情、今の時代に同じものを作るのは困難といわれている長い一本で作られた梁など、なかなか他ではご覧いただけ無いお部屋だとおもいます。