スピーカーの話:第2回SWDシリーズにぴったりな デスクトップで使えるスピーカー(後編)

【スピーカーの選定条件】

  • 一般のステレオ型スピーカー(パワードではないもの)
  • サイズはデスクトップに置くことを想定!(PCサイドのイメージ)
    • 横幅は、150mm程度まで ~ SWDサイズに合わせました
    • 奥行は、200mm程度まで ~ 机上にはこれが限界ではないか
    • 高さの制限は無いものの、300mm程度までが実用的
  • 能率:82dB/W/m以上 ~ 当社SWD-TA10の出力を想定したスペック
  • 音質:ハイレゾを繊細に表現でき音楽が楽しめる!(感覚的ですが…)

この条件に上げたスピーカーはかなり小さく見えます。そんなサイズ感でしっかりとした音作りのスピーカーはそう多くはありません。当然、カタログスペックだけではなく、実機を同条件で設置して真面目に(笑)比較試聴してみました。機種選定や試聴の感想などは好みの要素も強く、あくまで独断と偏見で行っていることをご理解ください。 ご意見、ご要望などございましたら遠慮なくお問い合わせからお送りください!


【高コストパフォーマンスな元気サウンド:ONKYO D-55EX(D)】

  • W148×H264×D256 3.6kg
  • 2Wayバスレフ(30mmリング型TW、100mmコーンWF)
  • 83.5dB/W/m,6Ω
  • メーカー希望小売価格:¥26,400(Pair,税別)

今までとは違ってかなり購入しやすい価格帯です。サイズは奥行きがあるのでデスクトップには少し置きづらいですが、バスレフ穴が前方を向いているので後ろの壁にピタッと押し付けても大丈夫です。ELAC BS72 との比較では、聴感上能率が少し高く聞こえます。スペックでは逆なはずですが… これは本機の中高域が元気なことが原因と思われます。高域の抜け・メリハリが良く一歩前に実態が出てくる傾向なので、歌モノやメイン楽器が明確な楽曲にはとても良い印象です。低域もそれなりに出ますが、超低域(太鼓の胴鳴りなど)までは厳しい。 前回のDALI Menuet2とは真逆で、ホール感を楽しむタイプではなくてタイトにビシッと聞ききたいJAZZやRock系などに向いていると思います。好みが合えば高コストパフォーマンスなスピーカーだと思います。


【入門機におススメ!でもあなどれない!:DENON SC-M41】

  • W145×H238×D234 3.6kg
  • 2Wayバスレフ(25mmソフトドームTW、120mmコーンWF)
  • 83dB/W/m,6Ω
  • メーカー希望小売価格:¥17,800(Pair,税別)

前のONKYOさんよりも更に購入しやすい価格帯。本機は後面ダクトで奥行きもあり、デスクトップの設置には多少苦労するかも(?)。ただ幅・高さはELAC BS72と同程度でコンパクト。筐体は木調シート貼りで高級感はあまり無いですが、この価格なので全然OK。 音質としては低域から高域までバランスはよい印象。特に低域については超低域は別として、かなり豊かです。ちょっと聞き、低域のパワー管としてはBS72にほとんど引けを取りません。多少ダンピングのゆるさを感じる場面もありますが、付属のダクト用スポンジで調整可能とのこと。中高域はBS72よりも前に出てくる傾向で実体感もしっかりあります。高域の抜けも良くJAZZやPOPS系も十分楽しめます。 特徴的な響きや色などはあまりありません。オールマイティーで色々なジャンルを聞く方にオススメ!入門機として価格帯からしても十分にお勧めできるスピーカーです。


【オールマイティな英国の雄:Q Acoustics 2010i】

  • W150xH234.5xD203 3.5kg
  • 2Wayバスレフ(25mmドームTW,100mmコーンWF)
  • 86dB/W/m,6Ω
  • 実売価格:¥30,000~35,000程度(Pair,税込み)

英国スピーカーメーカー「Q Acoustics社」。日本ではあまり知られていませんが、今回ご紹介する「2010i」は以前、有名英国オーディオ専門誌で2年連続ベストバイになった機種。当社でも当時注目して輸入商社ESFさんにお邪魔した経験があります。その時手に入れた2010iは友人宅に。その上位機種Concept20が社内にあったのでチェックしました。 とにかく広帯域再生でバランス感に優れています。友人宅にもお邪魔し、2010iも再度確認しましたが、特に2010iはこのサイズではDALI PICOやELAC BS72などと同等以上の低域の量感です。中高音もしっかり伸びていて流石にベストバイと思わせます。音楽のジャンルは選ばないけれど、どちらかと言うとクラシックかな(少しスピード感に欠ける?)といった感じです。特徴は良い意味で”無い”。つまり無色透明で色付けのないスピーカーといった印象。 最近のしっかりとした作りの欧州系小型スピーカーはどれも甲乙つけがたい優等生で、逆に言えば強い主張が無い印象です。また、2010iはケーブル処理が下部にあって(写真)接続も綺麗にできます。何れにしてもこの価格でこのサイズなら超お薦めです。


【自然な低域と定位感に優れた驚きのBGMスピーカー:Solution LABO R SLRシリーズ】

  • W155×H220×D195 3.0kg
  • フルレンジSLR方式BOX (80mmフルレンジ(DIYaudio:SA/F80AMG))
  • 85dB/W/m,8Ω
  • メーカー希望小売価格:不明(Pair,税別)

富山県にある『AUDIO STATION RED ZONE』という会社はカーオーディオのインストーラーさんですが、オリジナルスピーカーを販売されています。このスピーカーは「SLR方式BOX」という特許取得の筐体を使い、小型スピーカーでは不足がちな低域を無理なく自然に補強できるとのこと。HPにはこんな記載があります(内部に別のスピーカーを必要とせず、主たるスピーカーの背圧を有効利用して内部の平面振動板を駆動…バスレフ・ポートから最適な音域を放出する事で、低音補強、中高域に厚みが加わる”アシスト効果”と微細な信号を音として抽出できます…)。正直、フルレンジ一発の仕様のため多少侮っていましたが脱帽です。フルレンジ一発とは思えない広帯域再生。とても軽く自然な低域がかなり下まで伸び、8センチフルレンジが得意とする中高域のバランス感、定位感が素晴らしく、どんなジャンルでも気持ち良く長時間楽しめます。 写真のモデルは、この会社のHPにはないようですが、問い合わせれば色々と紹介してくれます。一度確認する価値のある究極のBGM向き、驚きのスピーカーです。 以上、前後編で8機種をご紹介いたしましたが、いかがでしたか?みなさんのスピーカー選択の検討の参考になれば幸いです。次回は、自社で企画開発したスピーカーについて、過去に販売したものから、現在企画進行中の製品について、そのコンセプトも含めてご紹介したいとおもっております。]]>

関連記事

おすすめ記事
特集記事
  1. お気に入りのアンプをみつけよう!

  2. お気に入りのヘッドホンをみつけよう!

  3. 秋のヘッドフォン祭2022レポート

  4. ネットミーティングにおすすめするヘッドセットは?

  5. SW-HP&SW-HSコンセプトノート:第4回「SW-HPの新しい挑戦、セミオープン型ヘッドホンの誕生」

  6. SW-HP&SW-HSコンセプトノート:第3回「SW-HPシリーズのモデル展開」

  1. SWユーザー訪問:第5回 上田温泉祥園 寿久庵 久保さん

  2. SWヘッドホンシリーズ【イヤーパッドのはなし】

  3. SWユーザー訪問:第4回/島村楽器 島さん

  4. SWユーザー訪問:第3回/RED IGUANA STUDIO 林さん

  5. SWユーザー訪問:第2回/石森良三商店 石森さん

  6. 鈴鹿8時間耐久レース参戦の【チーム長野】に提供したヘッドセットSW-TR2改について

  7. 【オーディオTips】小型スピーカーに豊かな低音を与える、パッシブラジエイターの魅力

  8. SWユーザー訪問:第1回/軽井沢スタイルハウス 千葉さん

TOP
SHIROSHiTAダイレクト 製品登録 サポート twitter facebook お問い合わせ